6_アート・リンゼイ
アートは今やブラジル音楽の大プロデューサーになってしまいましたが、彼が偉いのはギターだな。そのギターを始めて聴いたのが78年の「No New York」で、DNAを含め4バンドがもの凄いインパクトで登場した。当時感化されたボクは作品まで作ってた。

このアルバムはアヴァンギャルドの音楽が、当時のニューヨークの先端、つまり世界で一番先端にある音楽で、これに感心のない人はアートに感心がない人とまで思わせた。バスキュアの映像作品「DOWNTOWN81」にもDNAは登場する。

DNAのマキシ12インチ。ジャケ裏を見ると日本人が!モリイクエさんがドラム。後で知ったが、レコーディングまでドラムの経験なかったって。カッコいい!

立て続けにアートの参加音源が出て来た時代で、ジョン・ルーリーのラウンジ・リザース。来日ライブはアートは抜けた後で、マーク・リボー。

とにかくアートは矢鱈に参加アルバムが多く、そのどれもが興味を引く様なスリリングな音だった。80年代初頭に目覚ましかったジョン・ゾーン関連にも多く参加している。当時ニューヨークに住む友人も参加してて、月に何度もライブに行かせてもらった。「ルーカスソラス」はその一つ。

ソロ作は「アンビシャス・ラバースになっていたのも、何か因縁めいていたなあ。
この頃から音が洗練して来た。漫然と安易にカッコ良くしただけじゃなくて、マインドは常にアヴァンギャルドだった。反体制という大仰な看板ではなく、生き方として表明出来る時代に来てたし、反権威的な音楽家の代表としての顔に。

アートの真骨頂はこのDNA以前の音に聴ける。これはギターというより「ノコギリ」だな。コレを聴く度に「初心」という単語が目の前に現れるのであります。



オマケ
85年六本木でのライブ。ドラムの山木秀夫さんとのデュオで、ここでボーカリストの魅力が発揮されていた。
写真探し中につき近日公開の予定。
2015.2.18