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第5弾_奥村靫正さん
奥村サンはジャケットデザインを「分野」にした人だと思う。それまで専門などいなかったのだが、欧米ではヒット作にロジャー・ディーン、ヒプノシス、PPS等の作品が目立ってきて、70年代後半にはメーカーも真剣に考え始めていた。まだ外部、つまり広告やエディトリアルの優秀なデザイナーを起用して作っていたわけで、そこにYMOというスーパースターが出て来た。「ミュージシャンと同レベルのグラフィック」という作品を、25才のボクは始めて見た訳だ。
細野晴臣サンの作品はどれもレベルが高く個性的で素晴らしいのだけど、一番好きなのはコレ。奥村サンのグラフィックは日本的なのだ。日本的というのは、和風という伝統的スタイルではなく、サイバナティックニッポン今でいうサイバージャパン。しかも、ベースは日本画的なバランス。黒の使い方にそれを感じる。当時、奥村サンのグラフィックがYMOの音楽の格を上げた、と感じた若者は多かった。
YMO写真集も。グラフィカルな写真集でボクは最高に好きなんだけど、奥村さんテーストというより編集者がメインの単行本に近い。面白いけど。「ビックリハウス」や「スーパーアートゴクウ」に近い。面白いけど。YMOのファンを意識しているのが理解出来た。
Tatsu Yamashita 「Moonglow」 1979年Motoharu Sano 「Someday」1982年も事務所のデザイナーが聴いていたなあ。
その数年後、ビジタースツアー中の佐野さんに会う。1986年から一昨年までに20枚以上のアルバムを制作。1986年「Cafe Bohemia」2002年「Words in Motion」が特に印象深い。
2015.1.30_東京は朝から雪です