映像の60年史

NHKアーカイブの放送で、2005年制作・放送の「映像の60年史」という番組の再放送が2013年の4月にあり、その番組が先週再々放送。(解説は、昨年10月に亡くなった天野祐吉さん)内容は、1話は「1945〜1960」2話「1960〜1975」3話「1975〜1990」4話「1990〜2005」となっていたが3話まで録画して見た。

一般からの映像を寄せ集めた編集なので、8mmフィルム映像あり、自宅編集タイトルもあり、と、かなり面白い。昔の映像ほど面白い物はない。と、言っても意外性からすると「3話」の充実度が群を抜いていた。それまでは、一般と言っても専門的でマニアの映像が多いのに対し、ビデオ登場で完全な素人映像である。中に「自分のお父さんが小さな本屋を開いた。」という10代の男子制作の完全ドキュメントが紹介されたが、これは当時とは別な意味を持って価値のある映像になってきたと言える。当時には照れくさいとか、その時に何でもないものが、時間がたってみると、これだけ「何でもないものが映像になって残る事は奇跡に近い」と感じた。偶然も撮れるビデオならでは映像だと思う。作者は多分、ここで編集のツボをここで知ったと思われる最後の「父親へのインタビュー」は面白かったし、泣かせる。
ボクの映像体験というと、興味が出て来たのは、20代半ばに「サウンド・スーパー8」(ズーム出来る8mmフィルムカメラ)を偶然手に入れてからだ。仕事でも遊びでも何でも撮っていた。このカメラを持っている、というのは、今でいうとレコード・プレイヤーを使う洒落に近い。「廃れ物の美学」ってやつだ。
YOU TUBEにアップする気にはなれない。世の中で出ているので言えば、佐野元春さんの「Cafe Bohemia」(1986)の20周年盤(2006)に特典DVDに収録、とかその他PVでも使用した事はあるが、今はフィルム〜現像〜テレシネ(データ化)を考えると、余程の情熱がないと無理、って感じだ。(海外では割に今でも可能らしい、とか)ま、マニアか?
ここ数年で、i-phone撮影〜i-movie編集でPVを50本以上作ったが、i-phoneをやめたので映像制作もしばらく中止。今は、墨絵の毎日だ。やっぱり籠って作るのが好きなんだろうなあ。