長期的記憶の現場

毎週土曜日は家人が早朝から仕事なので車で送っていく。早い時は4時起き5時過ぎに家を出て行くが、通常は6時過ぎに出て行く。寒いが、気分が良い。人が少ないのも良い。今日は富士山もクッキリ見れた。それから、途中の公園で6時半に始まる老人達の体操を見かけることがある。集まってから体操して解散まであっという間に終わってしまうので、見れた時は、良い物を見せてもらったという爽快な気分になれる。今日も行きに見れたのだが、終わった瞬間だった。
帰り道のことだ。長い信号待ちのその先で、カラスが地面にへばりついた物を剥がそうとしているのが見えた。運転する車がその真横に来て更にジックリ見た。カラスの一心不乱の動作が見事で、30センチはあろうかと思われる平たい物が鼠だったのがわかった。何度か轢かれてビーフジャーキーみたいに固くなった肉を完全入手時にはある種の充実感を感じている様に見え、次の瞬間バランス良くくわえて飛び去った。一瞬の事だった。
こういうことは、きっと2〜3日したら忘れてしまう事なんだろう。忘れて良いのだが、どこかに圧縮されたデータが残る様に思う。
よく映像関係の人と話すのだが、偶然見たこういうシーンは撮れない。記録出来ない。再現出来ない。