写真は少ない方が良い

「データの整理方法の教えを乞う」に対して、ボクが考案した方法と後輩に教えてもらった方法と「立花隆的図書保管方法」を混ぜて教える。
例えば、「写真が沢山あり、2個の外付けハードディスクに保存しておけば大丈夫かと思って〜」で、大体その人のパソコンの使い方と知識とデータの状態がほぼ理解してしまった。「ディレクトリが〜」とか言っても余計に混乱するだけだろうから、先ずは「フォルダに分ける」。その御仁、「フォルダって?」なので、ファインダーを開きながら説明して行く。フォルダはわかったようで、次にファイル名の付け方。その場しのぎのファイル名ではなく、自分の探しやすいファイル名の実例を見せながら、更に説明。
グラフィックの業界はマックから広まった経緯があり、殆どがマック・ユーザーだけど、使い方はマチマチ。OSを上げれば、使えなくなるアプリも出てきたりで、個人的な使い方でこれも違ってくるので、先保存したい大事なデータをちきんと保存して行く、なんだけど、ボクの経験として、昔のデータが必要になる時とは?を一回考えた方が良いと思う。何でもかんでも保存というのはほぼ無意味だと思ってる。
昔、写真はアルバムに貼ったり、額に入れたり、見て来たけど、データの写真は最近ではあまりプリントしなくなってる。なので、一回選んでプリント(どんな方法でも良いと思う)して、1冊にしてみるのを勧める。枚数が少ない時は、大きめにプリントしてみるのも良い。
40年以上写真に関わってきて、言える写真の本質は「写真は少ない方が良い」ということだ。だから、写真の本質はプリントにあるのだ。デジカメで撮った写真はまず記録されただけで、「写真ではない」のだ。写真はプリントして冊子にしたり額に飾って、「人が見て写真になる」のだな。
だから、「データの整理方法」が知りたい人は、先ず時間をかけて整理して「何が残したいか」を考えると思う。データの99.9%は知らない間に消えていると考えた方が良いな。
仕事で5年以内に再度使う可能性のあるデータも0.01%以下だ。ボクは、1995年からのジャケットのデザインデータを使ったことは殆どない。(10件程で結局は使用せず新しく作り直した)だけど、写真(画像)データは保存形式によっては使用可能だ。でも、現物があった方が遥かに高度に残せる。
ボクの場合は仕事で撮ってもらった、自分で撮った、カメラマンから貰った、などの写真が山ほどあった。段ボールで数10個だ。それは2年程前に全部見てファイルに整理した。あれから見てないけど、ファイルの背に内容を書いておいたので、すぐに出せる様になってる。これはパソコンでのデータ整理の方法を持ち込んだので整理の作業はとても大変だったが楽しかった。
でも、子供が小さい頃に作った膨大なアルバムの充実度と面白さには全然勝てない。夜中に帰ってから朝方まで作っていたからなあ。10年以上かけた力作だ。ひょっとしたら、自分史上最大の作品かもしれない。