顔とは何か?

日本人の祖先は、モンゴル付近の中央アジア系の移民が主体でそれに様々な民族がこの極東に流れ着いた、というのが現在のところ大まかに言えば「定説」とされているのには異論はないけど、問題というか興味があるのが「この様々な」の分析である。一部には欧州からシベリア経由でハバロフスク辺りから秋田や新潟側にたどり着いた「流れ」をDNA的に実証されていて、単に「秋田美人」とか、「北陸色白」とかも、今に確実に証明される可能性もあるだろう。秋田犬もそうらしいし。
アメリカ先住民と言われる人達も、僕らと同じでモンゴロイドでいわゆる「蒙古斑」がある。前にネイティブアメリカンのTom LaBlancさんのアルバムを友人と制作した時に、打ち上げで飲み会で会った時に、凄い大食いでデカいレスラーみたいなんだけど、東北のおじちゃんみたいな雰囲気が漂っていた。喋る言葉も英語なんだけど、「東北弁」に聞こえた。彼らは数万年まえにマンモスを追って帰ってこなかった我々の親類だ。
パリの路上カフェは、人の顔を見る趣向が始まりだという。パリの人は「文句好き」だから、成り立つが日本ではカフェではなく、人探しについ顔を沢山見る。モンゴル系、東南アジア系、インドっぽい人、東ヨーロッパの目つきっぽいなあ、とか、髪の毛が赤毛に近いとか。いろいろで、顔は見飽きない。
一般に「弥生系」「縄文系」と分類しているけど、大系すぎて面白みがない。東北と九州が同じなのは、元だけでそれに何が混じったかの方が面白い。
この夏に、「顔」を主題にした「落書き」を三冊描いた。今のところ発表する予定もないし、人に見せる物でないと思っているけど、メールに貼付けたり、音楽を作ってもらう時に言葉の代わりに見せたりするくらい。
人が見せるつもりでなく、つい見てしまった時の「顔」なんですねえ描きたいのは。立派に描いて出品して賞を取っても面白くないしな。