Laurie Anderson

知り合いから電話があり「あのさあ、アメリカのアーティストで、80年代で、パフォーマンスで有名な、小柄で、身体中をバシバシで、楽しい音が出る人って何と言う人だっけ?」って、いきなりガミガミうるさい。「ローリー・アンダーソンでしょう?小柄だっけ?ルー・リードと60才で結婚した。」と言うとさっさと電話を切った。(この篇の下りは知り合いには申し訳ないけど面白く書かせてもらったけど)そういえばローリー・アンダーソンは久しく聴いていなかったなあ。
ボクが今迄見たライブで泣きそうな位感動したのは、それほど多くない。今思い出すのは3本。1000本近くいやそれ以上見たけど思い出すのがその3本だった。
1_1989年にNYCのSOBで見たマハラティーニ・アンド・ザ・マホテラクイーンズ
2_1993年の東京ドームのU2
3_赤坂ラフォーレでのローリー・アンダーソン
これ以外にもJethro Tullや、Led Zeppelinなど沢山はあるのだが、ローリー・アンダーソンの様な「完全なライブ。完璧なライブ」を思い出した後では、後は「興行」にしか感じない今の状況だ。
ボクが思う「ライブ」は、庶民の予想を遥かに超えてなければならない。開いた口が自分で閉じるのは不可能なほど何かが違って、気持ちが鷲掴みにされて何処かに連れて行ってくれるモノを指す。
「1_クイーンズ」はその楽しさに心を完全に奪われ、ボクがステージに乗って踊ったなんて今でも信じられないくらいだ。
「2_U2」はテクノロジーと思想と技術と気合いが一体化していて圧倒された。「2001年宇宙の旅」を見た時の様な「完全な敗北感」に近い感覚だった。不思議なことだが、U2のライブではその前もその後にも感じなかったことだ。
「3_ローリー」は「アイデアと技術の高さを楽しく見せるその姿勢」に泣いた。鉄腕アトムの「史上最大のロボット」のエプシロンの美しさだ。ライブで泣いたのはローリーだけだな。「テープレコーダのテープをバイオリンのボウに貼り、ヘッドの付いたバイオリンが「自分の心臓の鼓動を聴いてみたら?」と喋るアイデアには本当に驚いた。
一人のミュージシャンのライブツアーに付いていった事が数回あるし、地方に行く事も今でも結構あるし、海外にも行く事もある。その位、ライブは好きなんだけど、最近の日本のバンドのライブにはほとんど興味なし。行ってみたい海外のバンドも大きい会場じゃ楽しくないし、小さいところは高くてチケットがとれないし。
昨日も代官山のライブというかパーティーで数バンドみたけど、ライブというより、音の再現芸術という部分しか自分では追いついていないから、楽しめる部分が少ない。演奏も雰囲気も決して悪くないし嫌いじゃないんだけど、若い人が楽しければそれでいいです。でも、機材に関しては勉強になります。そうそう奈々子さんの息子が出てた。ヤン君。とても個性的な音を奏でていた。発しているのが素直でシンプル。彼が思う音をレコードにしてくれたら聴いてみたいなあ。
この世界ではボクの方がややキャリアが40年程あるから敢えて言わせてもらうと、彼らはプロとアマチュアの間と思う。決して悪い事じゃないし、そういう時代なんだと思う。だけど・・・。