顔の迫力

半沢直樹」は来週が最終回。常務役の香川照之の悪人顔が段々歌舞伎顔になってきた。それ以上の悪顔は、倍賞美津子さんか。あれは凄い。映画「ニセ札」でも、顔の迫力がハンパじゃなかったので、配役デザインの勝利。この配役だけど、舞台関係も多いし、お笑いの人も巧く登場してる。これは最近「あまちゃん」はじめ現代の主流だけど、見ている方は「ごった煮」をもう既に当たり前体操、か。新鮮な「脇」も良いのが揃ってますぜ、旦那!
大和田側近の岸川慎吾役の森田順平さん、近藤直弼役の滝藤賢一さん(あまちゃんにも登場)、融資課課長代理古里則夫役の手塚とおるさん(救急医療24時でも小悪人だった)、野田英幸経理係長役の利重剛さん(小山内美江子さんの息子!)、皆〜良いなあ。録画した「料亭での岸川と近藤の場面」は凄くて何度も見た。編集が「再現ドラマ」みたいに説明的なんだけど、カリカチュアされた物語しか理解出来なくなっているから効果は大きい。
音楽も服部家の3世だ。服部良一の孫だ。世襲制というより、技術継承&業界位置確保の系統というべきか。「TBSの伝統なのか?スキャット」使用してるなあ。フジじゃ先ず聴けないしパロディになっちゃう。「事件記者」か「ガードマン」以来に聴いた様な女性スキャットだ。
視聴率40%超えだってねえ。1%が80万人だっけ?そのくらい見てそうだな「半沢直樹」。
とにかく、キレイなハイビジョン画面イッパイに広がる顔は気持ちよいなあ。好きなんだ顔を見るのが。主役は肌がツルツルで、脇は皺が美しい、が基本だな。
ボクが昔作っていた雑誌が「顔アップ」ばかりで、よく気持ち悪いとか言われた。顔の迫力は主にアジア系では中々出せない。「照れ」があると顔の筋肉がこわばらせて、素直な大きさが出ない。テレビのサイズの演技はこういうブローアップが可能だから表情の0.1-2mmの動かし方が出来る役者がテレビでは映える。こういうカメラマンや演出家がボクの作っていた雑誌を見ていた世代だと感じる。そういう人に随分会ったから、あながち外れてもいない。