バンドは複雑。

様々なロック・バンドを見て来た。レコードジャケットだけでしか知らないバンド、テレビの公開ライブだけで見たバンド、知り合っていつも一緒に行動していたバンド、メーカーか事務所に頼まれてジャケット制作で会うだけのバンド、打ち上げでのみ顔を合わせるバンド、面倒な話を抜きにイベントに出てくれる友人みたいなバンド。
先のCCRじゃないけど、音楽家の生活はどこかギリギリの部分があって、それは経済的な部分だけじゃなくて、バンドのメンバー以外、もしくはメンバーでもわからないところがあって、他人が簡単に言う「再結成」も簡単じゃない。
いままで見て来たので思うのは、バンドは「決定的瞬間」だ。CDだけ聴いているだけじゃわからないかもなあ。
でも、レコード聴いているだけでも本質的なことはわかると思う。バンドの音楽的な意味では最初の2〜3年で終了する。後は経済的な結果で分岐点が生まれ、友人としてやっていけるかどうか、大人な態度で同業の「専門の世界」にとどまるか?
「バンドが儲かる」確率は年々低くなっている様に感じるな。40年前がピークだ。(笑)
だから、再結成というのは「酷な話」なんだ。「もう一度夢を」も、わからない訳ではないけど、ボクはまず行かない。再結成の大イベントだったLedZeppelinや、歴史的と大騒ぎだったRolling Stonesにもいかなかった。チケットをわざわざとってくれたのに行かなかった。とってくれた人には悪いんだけど、「わかってないね」か「今はそういう気分じゃない」を言うしかないのね。
憧れのバンドだから、良いと思えるバンドには絶対に妥協はしたくないんだね。聴くだけでもバンドのメンバーなのだよね。その位複雑なんだよね。
前に少しだけ気が動いた事があった。KIng Crimsonのあるレコードを若いエンジニアによって新しくミックスし、完成した音をイギリスのお城で視聴する会があり、メンバーも多数来るという。知り合い音楽雑誌編集者が3人迄という「枠」を持っていて、かつてファンクラブ会長だったボクにも声をかけてくれた時だ。
でも、今考えても、無理していかなくて良かったなあ。そのバンド今では、たまには聴くけどファンではないしなあ。そのCDすら聴いてないし。そんなモンだ。