石田晶隆さん

ゲンスブールのポスター(昨日の画像)の写真で使われているのは、映画のシーンではなくカメラマンの石田晶隆さん撮影の写真だ。これはたまたま撮影で品川にいた時に偶然、ゲンスブールが目の前を通り過ぎ、数日前までフランスにいたこともあり、流暢な?フランス語で断って撮影したということらしい。亡くなる3年前だ。
石田さんとは濃い印象的なお仕事を何度かご一緒させてもらった。最初は、89年雑誌「03」の取材で、ストーン・ローゼズ。これはその時にボクが「Hysteric Glamour」のグラフィックをやっていることもあり、この写真を気に入ったヒステリックの北村さん(服飾デザイナー)が石田さんに連絡に許可を貰って広告に使用された。次も同じく「03」のParis特集で石田さんが撮影したユッスー・ンドゥールの写真を伊勢丹の新聞広告(15段=全面)の時。クリエイティブ全体を仕切る故眞木準さんと伊勢丹キャンペーン制作のADをやっていたので。つい。次も「03」。パキスタンの大歌手、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンを撮影。これは友人の仕切るプロモーターに販売パンフレットを提案し、作る事になった。お陰で楽屋のヌスラット様に呼ばれていたく褒められた。しかし、大幅に売れ残り、プロモーターから「買い取れ」とクレーム。断固として断った。
それからもいくつかあり、今回のゲンスブール。たまたまゲンスブールが・・というが、こういうところがカメラマンなんだよなあ。ワールドミュージックの情報に長けていて通の音楽雑誌にも原稿を書いている石田さんの臭覚のなせる技なのだ。
石田さんは、あの藤原新也さんに師事。今でもヘルプしているという。ボクも石岡組。ヘルプしているとは言えないが、仁義ははったまま。カメラマンとデザイナーでは、かなり違うかなあ。でも、同じ時代を生きている感じが先だっての写真展でよくわかりました。
話はそれるが、ソフィア・コッポラ監督作映画「Lost in Transration」に眞木さんが出演している。クリエイティブ・ディレクター役で演出家に指示をしている場面に出て来る。そのディレクターがダイヤモンド・ユカイさんで、それがメチャクチャ可笑しい。業界で有名なディレクターの物まねしているから。