土地は人をしばる

この時期(年末〜年明けまで)になると我が街は閑散とする。夕方以降、家の中の「灯り」に人の気配がしない家が多い。以前警察の人に「この時期は空き巣が多い。かなりのお宅が長期休暇の〜」と話の中では出てこなかったが、ボクの見立てでは2-30%のお宅は「気配なし」。ほとんどが「旅行行き」か「別荘行き」。お隣さんも週末はほぼ「別荘」みたいだ。とにかく、静かだ。
残った家では、「クリスマス」の電飾がある。「気配なしの家」にも、この「電飾」をセキュリティ効果に使っているお宅も見受けられる。泥棒は下見には数日かけるという。計画的なのだ。セキュリティ会社が到着の時には既に泥棒はいない、ということが多いらしい。
近所に、取り囲む「塀」にガラスの破片を貼付けているお宅がある。「猫防止」ではなく「泥棒に3回入られた」と奥さんから聞いた。元は有名な子役スターが事業家になって建てた家らしい。つまり、「元子役スターを狙っての犯行」と明らかなのだ。
20年以上前から「回覧板」はないらしい。地元自治会はあったらしい。古くから住んでいる方に、昔の名簿を貰った。現在では「個人情報保護法」でこういうのも作らない、であった。なので、お隣さんの半分は名前もわからない。我が家は越して来た時には定型的な「挨拶」はしたが、越して来た人からの「挨拶」はない。別に良いのだが、今も地元(品川)に住む妹は、「わが町ではまず許されない。」と激しく言う。しかし、それぞれには様々な事情がある。
ボクが住む街は、映画産業と学園都市の街で。「50年契約」で一気に多くの人が(条件良く)移り住んだ。当時30才が現在80だ。今では移住を拒否、つまり子供が出て行き、老人だけが住む家が多い。ここだけに限った話ではない。が、大きな家に老人が一人暮らし、が多く見受けられる。「固定資産税」納付のために働く人もいるだろうなあ。
従兄弟がミュージシャンを辞めて「土地管理人」になった。彼は、親族の直系なので親類の責任(土地)を引き受けた。人は「沢山の土地があるから羨ましい」とか無責任に言うけど、持っている物の「苦しみ」は大変なものだろうなあ。「家を持つのが良い」のか「一生借家で良い」のか?を考えてもしょうがない。その時々で明るく考えるしかない。