おいらの制作現場2012最終

最近は編集デザイン関係の仕事が予想外に多く、現在はいくつか進行中。1_フリーペイパーの書籍化。年内校了が目標。2_某美術館の展示にまつわる制作。現在は地図作り。地道に作り込みやってます。自分でもこういうのが出来る様になりました。3_友人の写真集。夏には写真展も企画中。4_ゲーム音楽の巨匠が集大成的にまとめられる書籍。これは年明けからフォーマット制作を開始して6月に完成の予定。
現在はin Designという編集デザインのアプリケーションで制作しますが、同世代のデザイナーはこういうアプリケーションが嫌で、ページ物をやらないという人がいます。たまたまボクの場合は、前世代のクオーク・エキスプレスというアプリが嫌いじゃなかったので、苦になりませんでした。逆に作業効率が良いので作っていて楽しい事が多い。
なんてことはどうでも良いのですが、今日は特に書く事が思いつかず、つい書いてしまいましたが、少し前に若いプロデューサーから「パソコンの前のデザイン作業が想像出来ない」という話が出て、説明に苦慮したし、驚きました。印刷原稿がデータで出来る様になったのは、ここ20年ほどで、その前は「版下」という反射原稿を手作業で作ってました。今では見る事もできないから無理もないよなあ、といろいろ思い出します。
すでにその「版下」という現物は、全て処分してしまったので、残ったのは、版下を作るための道具。ピンセット、定規、グリッド台紙などです。
文字組みは、ボクの時代は「写植」を業者に発注してました。文字のネガ盤を大きさ調整して印字して現像して文字を目に見える様にして「版下」に貼る訳です。貼る時にラバーセメントというゴム糊で貼るんですが、この時にピンセットで貼る。0.1mm単位の技術の世界です。そうした感覚だけは今も引きづりながらパソコンで作業しています。
最初からパソコンでデザインして来た人は、こういう感覚がなくやっているんだなあ、と時々思うわけです。出来上がった作品を見れば大体わかります。つまり、そういうモンです。
「お札」を印刷するという映画を見ましたが、「版下」制作から印刷迄の説明が詳しくて可笑しかった。オフセットではなく、グラビア印刷の説明だったんですが、説明に「オレの若い時はなあ〜」的な、妙な感じが過剰で可笑しくて映画の物語とは別に笑っちゃいました。