モノクロ映画

以前友人の紹介で映画評論家の白井佳夫さんが推進している「映画『無法松の一生』の検閲された部分を朗読で補って上映する」という趣旨のポスターを作った、ということで丁寧なお礼の手紙と白井さんの著作を送って頂いた。「日本映画黄金伝説」と「黒白映像日本映画礼讚」という2冊。ここで紹介している作品を全部見てみたいと思ったが、レンタルではほとんどないので、名画復活の上映会等をチェックするしかないのであるが、今は「日本映画チャンネル」も見れるので少しずつではあるが、見れている。
「映画好き」には、王道があって、カラーよりモノクロ、トーキーよりサイレント、みたいな見方があって、旧字の書籍を読む様な難しさがあって、中々すぐには手が出ない。でも、自分が生まれる前の作品や見た事ない様な昔の作品に何か今の映画より映画らしい作品にぶつかり、感動する事が多い。
黄金時代には凄い才能が集まっていたのがわかった。今では様々な分野に拡散した才能が映画に集まっていたのだ。スタッフも俳優も。だから凄い訳だ。
最近見た作品で1954年新東宝作品「ほらふき丹次」を見た。この作品は残念ながら公式にアーカイブ化されておらず、運良く見れた。撮影と照明が素晴らしく、どのシーンも美しい。なので、勝手にキャプ&アップ。映画発展のためなので、平に関係者お許しを。




物語は、純粋な男と女の話で泣くに泣けない物語。名優藤田さんが進んで映画化した作品らしく役を超えた藤田さんが偲ばれる。知っている人には蛇足だが、藤田進さんは黒沢明監督デビュー作から数作の主演俳優。新東宝移籍に伴い東宝に残った黒沢映画からも離れた。後に東宝の怪獣映画での防衛本部のお偉いさん役で志村喬さんと並んでガキには最初からお偉いさんだったけど、若い頃を知るというのは大切な事だなあ。先達への尊敬を込めて。