ヨーグルト

整腸作用があるというヨーグルトをスーパーに探しに行ったらいろんな種類があった。海外のヨーグルトも出回り、牛乳より陳列棚の面積が広くなっている。
ヨーグルトと言えば昔は風呂屋で食べた「固まった」ヨーグルトだった。あれが見当たらない。やっぱり風呂屋に行くか?
「ヨーグルト」といえば、思い出すのは通っていた塾だ。そこの先生の主食がヨーグルトだったからだ。ボクは高校受験直前に美術系になるまで理科系で小学校から近所の数学博士の開く「公式を解く塾」に5年近く通ってた。ここには名門校の学年一番が集まる様な凄い塾で、たまにホームランを打つ(滅多に解けない公式をマグレで解く)程度のボクはただひとり、後はこちらには一切無理向かないで猛烈に公式を解く受験生ばかり。しかも、公式を解く時には何故かピーナッツを食べながら公式を解くのだ。公式計算は「わら半紙」に書く。「先生解けました」と言って待つ間に、ピーナッツの皮は計算式の書いていない「余白」にまとめる。ボクはこの作業が一番得意だったかも。(その「わら半紙」を実家の画材店に買いに来ていたのが先生だった)
話はヨーグルトに、当時はまた「固まった」のしか知らず、先生にヨーグルトの話を聞くと、ヨーロッパに行った時に貰って来た「菌」を家で培養して増やしている、という。猛勉強している生徒達は、そういうことには関心のないので、ボクは先生に連れられてキッチンに行くと鍋に入った「白い牛乳みたいな液体」が沢山あった。で、味見させてもらった、と思う。知っているヨーグルトとは違いドロドロした液体に「はまる」のはそれから10年以上も後の事だ。
「先生はこれだけ食べて数学をやっているんですか?」「たまにはご飯も食べますよ」人にモノをあげるのが好きな母親に言ったら、「ロースハムを買って先生に渡して」というので年末の歳暮の頃に持って行った。
ボクは美術系に行き、浪人が決まった頃、先生に近所で会った。「ハムは美味しかったねえ」と言っていた。先生に名刺を貰った。ペンネームで「ゝ一」を書いていた。読みは「ちょんいち」と読むらしい。昔は不思議な人がいたもんだ。同時にヨーグルトの歴史もわかる良い話だ。

ヨーグルトと言えば固まった、のと言いたいところだけど今は絶命危惧種か?

ヨーグルトの歴史、らしい。
http://www.nipponstyle.jp/column/nttr/column_11.html