歴史とドラマ

フィルム撮りでカメラマンが役者より上司だった時代に作った映画と今の映画を比較しない。高画像で役者の肌まで見えちゃう映像は、ほぼカメラマンはただ撮るだけの技術者で、監督が全てを仕切れない。音楽なんて少なくて良いのにやたら流れる。主題歌が流れただけでもう興ざめ。これは最近の邦画全般を指している。

NHKの5回連続ドラマ「負けて勝つ〜戦後を創った男・吉田茂」の渡辺謙を見ていて役者は「声」、設定に入り込めるかどうかは「美術」が肝心だと思った次第。音楽も担当者に「必要以上に音楽をつけない」とか「照明も当てすぎない」とか気にしているドラマ作りも感じた。

4回目に出てきた、吉田栄作が良い味出てた。他のキャストも良い。首相の息子の反発等はやや饒舌で漫画みたいだけど、これは多くの視聴者には効果的とも思うから許せる。今週(土曜夜9時〜)が最終回。領海線問題に揺れるこの時期に放送するのは大変意味も深いし中々なドラマと思いますよ。