音楽は一時的な音の記録ではなく・・

真面目な話、実は諦めかけていた。昨日、フラッと寄った渋谷の馴染みの店の、いつも最初に見る「えさ箱」(LPレコード棚)のアルファベットは「M」。最初にめくったその1枚が長いこと探していたその諦めかけていた1枚を見つけた。まだ動揺しているし、慌てているので、そのアルバムの詳細を述べるのは敢えて控えておく。
というのは、このブログを見ている古い友人の1人が見る可能性が大きく、その彼が興味を持ちそうだし、彼が他に思わぬ形で紹介し、思わぬ形で「大事な事」に触れそうな気がしたからだ。
というのは、そのアルバムは彼との論争のひとつである「10年以上聴くに値する白いギターアルバム」についてボクなりの結論が出ているアルバムだからだ。
それを彼が聴いて、言い方が適切でないかも知れないが、安っぽく評論される様なタフさがそのアルバムにはないからだ。繊細さゆえ今まで見過ごしてきたエリアに佇んでいたアルバムだったからだ。
つまり、大仰なサウンドでもないし、確立した音楽の評価を受けた人でもない。イギリス・バーミングハムのインディ・バンドの2年ほど在籍したギタリストで、日本でも知っている人は10000人いるかいないか、そのバンドに至っては全アルバムを聴いた人になると現在100人いないのでは?と推測される。これは探しているいた間の情報収集で総合的に至った結論だ。
そのアルバムは、30年以上たっているのにも限らず、日焼けは多少あるものの真新しく、検盤(買う前に中身を確認する事。中身が違う事があるため。)した時に、持っていた人は一回しか聴いていない、もしくはそれに近い回数しか出していない状態であった。Aランク以上の状態で価格は何と780円。今でも割に出回っているバンド自体のLPで状態Bランクで2〜3000円なので、このソロアルバムが780円は想定外だった。某大手レコード店で20000円で探して貰っていたほどだったので驚きは隠せなかった。しかし、女性店員にはその挙動不審を見抜かれ何度も妙な声をかけられた。
ほとぼりが冷めた頃、詳細を書くかもしれないが、ここまでの気持ちの揺れと価格という世間一般の評価とのギャップの方が今のところ伝えてしかるモノかと思う次第。
このギタリストが今評価される事はないと思う。現在もギタリストで活躍されてますが、この音は出してません。ギターの音色は、地域、時代、機材、演奏者のバックグランドと技術という順番で現れているような気がしてます。ライブも見ているわけではないので、レコードだけだけど、多分ライブではあまり発揮できなかった可能性も感じる。その点が「白い=白人でブルース経由でない」ギタリストの難しさ、か。