ダリが甘く見える



石岡瑛子さん追悼番組。急遽NHK総合で昨年のドキュメンタリーを再放送したので見た。U2のボノとジ・エッジの二人に挟まれても大きく見える石岡さんの仕事ぶりが凄い。「目隠しをされた馬が走っているようなもの。」という言葉の意味がビビッドにわかった。これは女性ならではの感覚であり、激動の戦後を生き抜いた経験からのため息であり、日本人の未来を照らす言葉でもある。ここれらの仕事を見る限り、映画「ミクロの決死圏」のサルバドーリ・ダリの美術仕事は石岡さんには全く及ばなかった。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya1159.html
デジタル印刷(CTP)になって色校正が出なくなってデザイナーが色校正を出来ないなんて普通になっている。ボク的にはそれはそれで良い。だけど、石岡瑛子さんの色校正を見たことがあって、普通は赤字(修正指示)は紙の余白に書くモノなのだが、全く違ってた。製版者を選ぶのもわかる。それが松岡正剛さんのサイトに載ってたのには驚いた。ボクが見たのはポスターの校正で、ポスターと同じ大きさの紙が色校正に貼られていて、そこに面々と書いてあった。解読して修正するのは大変なんてモンじゃないと思う。直っていなかったら殺される、位の迫力があった。

数年前に出た書籍で舞台衣装などを掲載した「Eiko on Stage」の画像レタッチを知り合いがやっていて、それで知ってから本を見たら凄かった。何もかもが凄いんだ。
「舞台だからって、大雑把にはしない。1mmの違いがわからない人は何も見えてないの。」というのは、自分の判断が全て、ということの証明だ。しばらくまだまだ余波があると思われる。