Don’t Think! Feel!

数年前のこと。20年以上もボクのことをよく知る人物からこう言われた。「あなたは今まで悩んだことがないでしょう?」って。かなり驚いた。別な大先輩に「キミは緊張しないタイプなんだろうなあ。」これもビックリ。「20年」も「先輩」も当然年上で業界の有名人で、様々な修羅場を通り抜け、キャリア大充分なお方。その方が、ボクに言わせれば相当な勘違いをしている、と思ったわけだ。
モノを真剣に作っていて、悩んだりしないヤツはいないし、人前で緊張しないヤツも信用出来ない。
よくよく考えてみると、そう見えることは「悪くない」。悩みがない様に見えるのも悪くない。悩みを絵に描いた様な顔は多分してないと思う。出来れば、そういう所は見せたくない。人に見せる時に「徹夜してそうとう大変だったんスッ」とか言わないもんね。そう覚られたくない、という気持ちはあるけど、心の中はかなり叫んでます。人よりそれは強いかも。
一度こういう妄想にかられた。ある時「大衆の考え方」が理解出来て、自分だけ違うとしても、これは絶対に曲げられない、と思ったあと、人類全員が自分を責めたとしても、絶対に生きている時もしくは、死んでからも曲げてないとどう証明できるか?などと考えた。まあ、こういう考えがあるということ自体が「お幸せ」な状態で、言ってみれば呑気なモンかも。悩んでないと言われてもショーがない。
学生時代、「キミの絵には笑顔のサインがしてあるから名前のサインは不要だね」って言われてバカにされたみたいで気分悪かったけど、落ち込んでいる時にこの言葉を急に思い出した。別に悪くないって程度だけど、ヤツに会いたい。
今日の一曲。Smokey Robinson & The Miracles「Whatever Makes You Happy」