加東大介

最近の映画を見ていて役者の顔が役者っぽくないなあ、と感じる。かつては映画に出る人は現実味を再現するのではなくて、「映画的な現実に映る」人達だったから、今見ても面白いわけだ。「今どきは三船敏郎とか勝新太郎みたいな大物がいない」というのではなくて、「脇」だ。例えば、一番わかりやすいのは、すでに鬼籍ですが、田村高廣(バンツマ長男)、川谷拓三とか、大辻伺郎とか。こういう方達がいまへん。
で、いきなりですが、加東大介。役者の家系〜でも歌舞伎に入門〜戦争〜黒澤作品〜執筆〜映画化〜「七人の侍」で生き残ったのに、あの7人で一番先に死んだ。珍しく主演した「鬼火」(1956年)が印象的で、伊福部昭の音楽と物語が相まって加東大介の顔がイメージになっている。普段はこの方やっぱり名脇役ですが、これは主役です。主役じゃなきゃいけない主役じゃないから面白い。こういうのが「映画」なんだと思うなあ。
左とん平も良い味してるけど、テレビのイメージが大きい。テレビと映画は全く違うのだなあ。
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