Re Satie

サティの番組以降、サティのピアノ曲ばかり聴いている。アルド・チッコリーニ、フランク・グライザー、ジャン・ジョエル・バルビエ、高橋アキなどサティ曲演奏のレコードが数十枚もあった。「ジムノペディ」を聞き比べしてしまっている。ピアニストの解釈がまちまちで楽しいぞよ。ピアニストで一番好きだったのはシェーンベルク楽団のラインハルト・デ・レーウ。
デ・レーウのピアノが好きなのはストラヴィンスキーの「ロシアの歌」を聴いてからで、これは尋常でない何かを感じた。サティに通じる平然として反権威で成熟しない「青さ」。それにオランダ人なのにあの天才ギタリスト、デュアン・オールマンに似た風貌であったことも少なからずあった。デ・レーウ来日のラジオでの実況演奏を聴いたが、音が粗末でも何ら失われない音楽がど真ん中にあった。
サティは若い時から過激な老人であり、完成してしまった子供であった。権威になった音楽家とは違う音楽のストリームを描いて僕らの子孫まで聴き続けられる。昔、無人ロケットを宇宙に放った時に電子音盤(多分CDみたいなディスク)で積まれた音楽は「バッハ」だったというNHK中学生ニュースの記憶が確かなら、「もう一枚可能ならサティも入れておいて」って感じ。その方が地球人を好きになってくれそうな気がする。

動画はボクの予想では「ベクサシオン」を大勢の人達で演奏している図だ。別れた女性に対する気持ちがこの「いやがらせ」という意味の曲で840回も繰り返させられるフレーズをサティは他人が反復すのを想像していたに違いない。