Breakfast

1年後に急に石岡さんから、「すぐに来い」という連絡が入った。NDC在籍中だったので、「ちょっと待って下さいよ」って言う間もなく「最初の仕事は先ずチャンと辞めてウチに来ることだ。」って結構理不尽な強行さ。先々の困難はすでにここで知るべきだったが、それよりも「SUSUTO」に近づける様な、いや急に近づいた様な嬉しさが先に立ち、間髪入れず会社と上司(サイトウさん)にカミングアウト。
この時点で25才だったので、少し焦りもあったかも。というのは、すでに25才後半でフリーで活躍している人も結構いたからだ。送別会も結構派手にやってもらった事は覚えているが、ボクはそれどころじゃあなかった。
デザイン界の(野球で言えば)巨人軍にせかっく入団したのに勿体ない、という人もいたけど大リーグからの誘いに迷いはなかった。
で、新会社に入りました。名はBREAKFAST。ハッピーな気分で初日を迎えました、赤坂の駅を降りて道ばたで5000円札を拾いました。警察には後で行くつもりでそのまま赤坂の超高級億ションのドアを開けました。面接とは違う華やかな気分でした。が、10秒でその気分は消えました。なんか大勢の人が居て、打合せなのか制作中なのか?なんか火事場に来たみたいな感じでした。佳境みたい。で、すぐに描き文字を手伝うことになりました。数時間たってそれが、月刊誌の仕事だと理解し、「流行通信」という雑誌だったこともやっとわかりました。それから1週間帰らず文字を描きました。時間がたっていて多少記憶が薄くなりましたが、大体そんな感じです。もっと不条理な感じだったと思います。5000円札のことなんか思い出せませんでした。