ブルガリアンボイス

80年代に世界音楽(ワールドミュージック)の再発見(ブーム)が起こる。これは欧州・巴里などでアフリカや印度圏(パキスタンや印度)をはじめとして中米や辺境などに音楽の新たな指向性を求めたモノで、ロックの新機軸の素材探しのプロセスでもあった。
そういった動きの中心にピーター・ゲイブリエル主宰のリアルワールド(レーベル)やWOMAD(world of music and dance)の活動があった。一番先にヒットのが、ブルガリアの女性コーラスである「ブルガリアン・ボイス」だった。古典でも民謡でもない近代創作音楽で、フィリップ・フーテフ氏が(ほぼ)発案した新しい形式であった(と聞いている)。1988年にはブルガリアから本家のFクーテフ合唱団が来日した。縁あってリハーサルやライブにベッタリとついた1週間があったことを思い出した。来日プログラムも制作。来日公演の直前にイスタンブール旅行に行っていたのだが、トルコ音楽との類似性と相違も面白かった。しかも、トルコのとなりのイタリアのバイオリニスト、マウロ・パガーニのアルバム「Sogno Di Un Notte D'Estate」に知っている人は知っているブルガリアの名曲「トドラ」をアレンジした曲があり、聴いてみたくなった次第。25年ぶりに聴いたけど世界的にヒットするのはこのくらい凄くないとダメだなあ。世界中の合唱団が歌っている「トドラ」を集めた動画サイトもあった。これは凄いのも笑えるのもある。(ジャケット4点はブルガリア盤LPでDiscogsには掲載なし。)
http://wn.com/Polegnala_e_Todora