ライブには音楽の全てがある

佐野元春30周年記念ファイナルライブが実現。昨年からスタートした記念イベントは3つのツアーを続けて行うというもので、part1ポエトリーリーディングのツアーという異例な幕開けから始まって、part2は佐野さんの年下のミュージシャン達との全国ライブハウスツアー。今年から始まったベテランバンド、Hobo King Bandツアーがpart3。大きな会場を回って3/6の大阪では盛り沢山のゲスト(野茂英雄さんも出演)。3/12の国際フォーラムで大団円を迎える筈だった。
身体も温まった段階での中止は断腸の思いであったとそのショックの大きさは簡単に想像できる。佐野さんは土壇場に非常に強いタイプ。盟友・伊藤銀次氏が言っていたが、「佐野君は完全な長嶋繁雄タイプ。」25年の間に何回かこう場面を見てきている。
昨夜の振替公演に行ってきた。広い会場は座った段階で熱くなっているのがよくわかるのだが、これは普段感じるコンサートとは違う種類の深い熱さを感じる。冷めない暖かな感じが全編にある。半分は佐野さんの「音楽へのリスペクト」であり、音楽に同化する楽しさ。もう半分は佐野さんへの超個人的な愛。「超」というのは時間を超えて同化したような気分にさせてしまう感覚だと思う。年を取ると変化する「色」が若干薄くなるだけで変わらないような。立って踊って聴いている人を見ると(失礼)少年の顔をしている。
佐野さんはステージでは無駄な話をしない。佐野さんから「ステージでイロイロ話すのはフォークの人」という役割分担も絶対に意識していると思う。それに音楽の楽しさを重点に据えたいという真っ当な考えを貫いている部分が占めていて、それに喋らない方が言いたいことが音楽を通して伝わる。
曲が終わる毎に上手下手に必ず礼をするし、最初の言葉は決まって「集まってくれて有り難う」だ。律儀さも佐野さんの魅力だしひとつのスタイルから発する佐野さんの言葉の調子でテンションを読み取れてライブへの期待感になっている。
ライブはヒット曲名曲オンパレ。3時間以上でもあっという間に終わったという感じ。途中から登場の佐橋さんが「途中からで2時間以上ですから」というのも楽しそう。
楽屋にお邪魔したが、凄い人。多くの旧友にも会えた。乾杯だけで佐野さんは明日の準備の予定だったが、最後はほぼ全員と挨拶。自分からはダメと言わない人なんですね。
家に帰って皆多分佐野さんのCDを出して聴いていると思う。
今回のツアーではパンフを制作。part2のライブを福岡で撮影。カメラの松本さんとライブハウスに撮りに行きました。30周年ボックスもそろそろです。写真など整理中。もの凄い量の写真が出てきてトレーニングのためにプリントして切り抜いてコラージュ始めました。