ジャン・コクトー

まだまだ続く保管資料のデータ化で、とうとう此所まで来たか、という「ジャン・コクトー監督作品『オルフェ』ベータビデオ94分」。当時、18800円でもホイホイ買っていたビデオを簡単に捨てられない。廉価版DVDも出ているかも知れないが、一応仕事しながら見キャプ。パソコンのモニターで見るのも慣れたからベータ画像も把握できているから敢えて言うと、高度なリ・マスタリングも全てが悪くないが、この巴里を舞台にした「絵」は柔らかいベータ画像が合っている、と思うのは慣れだけなのか?
そんなことは「弘法、筆を選ばず」であって、どうでもいいことなんだけど本当は。中の台詞が気になったので書いている。「伝説は時代とは違う」って一説。この作品は60年代初頭(だったか)で買ったのが85年頃。それから25年以上たって見ていて買った時のラグよりも経っているのを感じながら聞いた一説が残ったわけだ。
モノクロフィルムで撮った作品を、作り手の意志とは全く及ばないところで固くてシャープな画像になったとしたら、質感を重視する作品では全く違う視点が入っている、と思う。物語さえ伝われば良い、という作品ならば大雑把な作りに誰も反論しないだろうけど、ボクのようなタダの視聴者でも反論したくなる。(確かに20代では投書好きだった。)
「伝説か時代か」なんて20代の頃、同僚と朝まで議論したようなテーマだ。どっちかという話ではなく、視点の問題なので、今になって論議の対象とは思えなくなってきている。「理想か実行か」とか、「経験か無垢か」とかもやったな。まこれもどうでも良くなってきている。なんていうのもこの「オルフェ」には入っていると、とチラ見で感じた瞬間あり、でした。