コラと琴

ハープ音楽は何か感覚を覚醒させるためではなく、寝る時に見たい光景のための音楽で、簡単に言えば、刺激的なモノの逆側にあるのだと思う。ハープ自体がそういう楽器なのだと感じる。ハープが好きになる以前はというと、ワールドミュージックを聴きだした80年代にパリの街でコラというアフリカのハープの音色の素晴らしさに感動。アフリカの繊細なリズムと音色の美しい弦の響き。それに楽譜のない感覚的な即興音楽。少しシタールに似た形でギターにも似てない事もない。コラという名前を聴いた時、同じ弦楽器の「琴」を思い出した。つまり、アフリカが起源とすれば、琴はコラだった可能性もあるなあ。ツイターとギターと同じ論理だ。まあそれは良いとして、ハープを演奏するひとは琴を弾くことはよくあるし、楽器のことはよくわからないけど、共通しているとは言えるだろう。でも、琴が奏でる光景とハープが映し出す光景は違う。コラに至っては、その光景は、まずアフリカの青い空で、ピーカンの青に浮かぶ雲の白は日本の伝統色ではない。草の匂いも、通り過ぎる笑顔もコラに合った湿り気ゼロの感じだ。音楽は土地が作るし、人も作る。
コラ奏者Toumani Diabateの演奏はReal World関連作で聴くことが出来る。you tubeにもいろいろな曲が載ってます。