探している

かつて自分のアシスタントをしてくれていたモノが今や40を過ぎて立派にやっている姿を見たり感じたりするのは嬉しい。人づてに聞くより、たまたま作ったモノを見てそれがソイツだったりするのが一番嬉しい。
10年以上前に辞めた、実は期待していたヤツの作品をたまたま発見。凄く良かった。現代的で世界に向けて感性を磨いでいるのを感じた。それですぐに連絡をとった。すぐに仕事を頼んだ。良い仕事だった。大人になっていたし子供のままだった。しかもヤツは良いパートナーと組んでいた。彼は素晴らしいカメラマンで、仕事のしたことのある知り合いでもあったし僕の先輩のアシスタントでもあった。そのコンビの展覧会に行ってきた。
簡単な展示ではあったが、内容は濃かった。目先よりも先を見据えている感じはぐっとわかった。じっくり見させて貰って会場を出た。帰り道、立て続けに知り合いにバッタリ会う。その中の1人には先の展覧会会場に行って貰った。それから数分後、「なるべく遊んだ方が良い」という言葉が目の前に出てきた。
音楽の友社から出ている作曲家・人と作品シリーズの武満徹を読んでいる。クワイエットな音楽家という漠然としたままいろいろな音楽を聴いていた。読んでいくと人となりがわかってくると同時に、今までバラバラだったのが、いくつかつながった。1984年のテレビドラマ「波の盆」の音楽は素晴らしかった、という記憶だけが鮮明に残っているが、音楽が出てこない。なので、もっと多くを聴いてみたい。ギター曲や映画音楽の系譜も。小学生の時に中国から1人で帰ってきた、とか、虐められた、とか、シャンソンを聴いて感動した、とか、面白い話がイッパイ。クワイエットな音楽家とは武満さんのことだろうなあ。