スターの遺跡

小学生の時に母親が大事にしていた石原裕次郎のブロマイドがギッシリ入った箱を見て驚いた。彼女は80を超えた現在でも裕次郎に対する気持ちに変化ない。なので、存命中の軍団のテレビ出演の映像をDVDにしてあげると喜んでいる。
浅草にマルベル堂というブロマイド専門店がある。かつてアイドルやスターの写真を売っていた店であった。専属のカメラマンが撮影し、ネガに修整を施し(ネガに直接固い鉛筆などで修正し、写真の補正から、肌を滑らかにしたり、輪郭をスッキリさせたりしていた。プリントに顔料で描く場合もある。原理的にはコンピュータで修正、と全く同じ。)、そのネガからのプリント(主に指紋のつかない絹目や梨地の板紙に焼き付ける)する。今のように情報が少ない時代にはこのブロマイドは貴重なモノであった。オリジナルの印画紙(プリント)を買ったからと言っても印刷して売ってはいけない。写真には肖像権や著作権があり、もし売ればこれを保有すると主張する側と争うことになる(正確には、可能性がある、と言う)。
店内を撮影した写真を知り合いが携帯で送ってくれたのだが、これがピンぼけだったのでこのブログに載せられる。これでは著作権も肖像権も定かであろう筈もない。
マルベル堂が華やかだったのは(多分)昭和20年代後半か?(今でも営業しているって凄い)当時は写真が貴重→専門的紹介雑誌がない→情報が少ない→店に買うしかない→ファンが集中する、って流れは今の大久保・韓国スター売店に群がる年期の入った女子高生達と変わりない、と思う。