Japan Again

最近はジャパンの発展系変名バンドである(再結成とも言われる)Rain tree crowをよく聴いた。「Black Water」という曲は実に良くできた曲で不思議な音楽だ。約10年前の作品だが「今の音」と思う。70年代後半に出てきた時のビジュアル系ぽいのと同じバンドとは全く思えない。これほど変貌したバンドも珍しいのでまとめて聴いてみた。
1978年のデビューアルバム「Adolescent Sex」。日本だけでヒットした「The Unconventional」が入っていた。同じ年に出たセカンド「Obscure Alternatives」。翌年に出た3枚目で大変貌「Quiet Life」。ジョルジュ・モローダーと組んだシングル「Life In Tokyo」も出た。80年の「Gentlemen Take Polaroids」このアルバムには何と坂本龍一教授が参加。アイドルから本物に脱皮。ジャパン等という名を付けたキワモノにも風格が出てきた。ここまで何と3年である。81年の「Tin Drum」で不思議で独特なサウンドに境地が、と思ったら解散の話が出てきて、ソロ活動に発展。デビッド・シルビアンのソロにはロバート・フリップやジョン・ハッセルとかビル・フリゼール。グラフィックにはアントン・コービン藤原新也、と世界のトレンドの発信というか中心的な活動になった。ミック・カーンも渋谷で風変わりな展覧会やったと思ったら、ウルトラボックスとか、ダリス・カーとかになってきた。ここまで書いてみてわかったのは、彼らはどちらというとトレンドキラーだった。が、純粋に真っ直ぐに進んでいた。だから、今「Rain tree crow」なんかを聴いていると気持ちよいのだろう。(画像は日本での人気が本国より群を抜いていたのがよくわかる日本製ジャケット。デカレーベルという今はなき仕様。デザイナーには悪いが時間がなかった、とは言え通俗的な出来で残念。クレジットは不要と思うなあ。)しかし、初来日武道館ライブは衝撃的だった。ミック・カーンのダンシング・ベースも面白かったが、それ以上にマントを着た大勢の客に驚いた。後にX Japanで体験したものとほぼ同じような体験だった。