Happy End


永島慎二という漫画家の「漫画家残酷物語」は、細野・鈴木・松本・大滝という4人組バンドに大きく影響した、と言われている。実際には知らないが、70年代後半の大学生が言いそうな話では有る。「同棲時代」の上村一夫と「かぐや姫」が通じるように、永島慎二と「はっぴいえんど」の世界観は妙な一体感がある。話の題材は繊細すぎて今や主題には成りえない様に思う。映画で言えば、日活モノも同様だ。世の中の不条理に立ち向かい彷徨う若者。自分も確かにそうだった。若者はオヤジになって、懐かしむ時間もなければ、想い出話に付きあってくれる友人も田舎に帰って、たまにくる手紙は訃報ばかり。なんだか、妙に湿っぽくなりやがったぜっ。でも、今の時代感は70年代後半にも近い空気を感じる。