M


ドイツの映画監督、フリッツ・ラングの作品「M」は、監督の初トーキー作品であり、サイコスリラーの原点。この作品は幼児誘拐殺人を扱っていて、宮崎勤のMにも見える。実に巧みな作品で何度見ても飽きない。出だし部分が特に好きで、音楽(グリークの「ペール・ギュント」の一節)と犯人のシルエットがポスターのシーンが重なるところは不気味で美しい。これは1931年の映画なのだが、テンポもよくスリリング。リメイクするなら、「ザメッティ」を撮ったグルジアの映画監督ゲラ・バブルアニにしてほしい。