Men’s Men’s Men’s World


スモール・フェイセズからハンブル・パイに移ったスティーブ・マリオットを追い続けていた。スモールBUT大迫力で最初から最後まで全身を絞るように出しきる男だった。それしか出来ない不器用な男だった。スモール・フェイセズ時代はモッズ時代で、若気の至りでカッコつけもあった。大人の男が組んだハンブル・パイは、「俺達にゃ無駄な飾りはいんねえ」的なオシャレ度ゼロを目指していた。「思いっきり歌ってギターを限界まで大きく鳴らしてぶっ倒れてお終いだぜ」というのは、男が集まった時のキーワードでもあった。このアルバムを手にした時、男気を期待してレコードを取りだした時に、レコード盤が一気に薄くなったのに気がついた。オイルショックの影響でレコードが薄くなった&軽くなったという話は聞いていたが、まさかそれが「男レコード」でブチ当たるとは思わなんだ。目が点になりかけた時に出てきた音で、再び「妄想という真の現実」に戻る。無駄が無い。色もない。ジャケットの黒地は絶妙にこの簡素さとシンクロしている。