Strange Thomas


80年代はヘンな時代だった。一般的にバブルで過剰な時代、と言われているが、ヘンなのはそのカウンター・カルチャーとのギャップがヘンなのだ。何言っているか判らん、という人にはこのバンドの音を聞かせれば「確かにヘンだ」と強く激しく合点がいく筈だ。そのバンドは「Pere Ubu」。声を発するDavid Thomasは機関車トーマスよりヘンだ。何処から出ている声なのか?タイトなギターにノイズも妙なのに、アバンギャルドというより演劇に近い感触でありながら、ドキュメントにも近い。第一バンド名がよくわからない。読めない。「ペリュ・リュビュ」とかか?こういうB級映画みたいなバンドがイッパイ有った時代で、カルチャー・クラブみたいな「曲」を聞いていた人にはちょっと意味不明なのでは?でもでもボクは気持ち良くって、このただならぬ雰囲気が好き。