Magazine as City

NYCと書けばNew York City。ジュリアーノがキレイにしたお陰でなくなったものも沢山あるという印象がある。80年代のNYの音が好きだった。世界のアンダーグランド魂の集う街だった。かつてパリ発NY行きの便の「匂い」。瓦礫の中の元ガソリンスタンドにアーティストが集る広場が出来てライブもやっていた。こういう光景は今でも似た様なモノは何処にもあるのだが、例えばパーシー・ジョーンズがSnatch直後、ジョン・ゾーンが日本で「なごむ」前の真剣勝負時代、ローリー・アンダーソンがメジャーになる前、と思うと、これは武者震いがする。/70年代後半から90年代初頭の変貌のみ体験していて、今は興味薄い。/図版はボクの思う「雑誌の理想系」。ローカル都市としての都市発の形体。ニュースになる写真と文章のバランスから出てくる雰囲気が好き。特に写真を過剰に扱わない感じ。ポップというキーワードが生きていたのは、この頃までで90年に入って、単なる「単語」になってしまった。(中綴じ/全1色刷り/274×352mm/64ページ)内24ページが1ページ広告だが、広告自体が雑誌と同等の情報になっているのが「生きている」雑誌の原則で、今の雑誌は、可哀相なことにこの原則が定説として事前にあることだ。