Views by Roger Dean


70年代レコード美術のジャケット部門欧州王者を前期・中期・後期に分けると、前期は間違いなく、ロジャー・ディーン氏になる、と個人的に思う。異論は無い筈。プログレを代表するYES等のジャケットは、当時の夢見るロックファンを永遠の音楽少年にしてしまった。
ロジャー氏の描く世界は、後に出てくる「Starwars」等に見るSFの宇宙観に繋がっていて、科学的物理的な宇宙ではなく、人間的な奥行きがあり、東洋の精神世界と西洋の神秘主義がかけ算と割り算されてルートにタンジェントされていたから、何がナンだかでカオス的魅力を醸し作りだしていた。
久し振りに彼の作品集「Views/Roger Dean」(LPジャケットサイズ/ソフトカバー/全カラー/160ページ/1975年発行)をジックリ見ると、西洋の神秘主義の典型であり、印象の中に強く残っていた東洋的な雰囲気を感じなかった。それは何故か?色彩の感覚の進化か?
最近でも制作していて、あの独特な文字も描いていると聞く。近く展覧会でもあれば、多くの音楽少年・少女が集まるのではないでしょうか。