Golden Age

昭和33年公開の日本製初長編アニメ「白蛇伝」から50年である。東映が制作した入魂の漫画映画は、大川社長の元、集められたスタッフには高畑勲はじめ先鋭が揃っている。僕が知るだけでも森康二大塚康生月岡貞夫等アニメ映画はもとよりテレビでもよく見かける名前であった。それに設立当初は手塚治虫も参画している。「虫プロ」以前である。
ここに「東映動画長編アニメ大全集」という本がある。作品の詳細についてまとめた図録である。見ると、この「白蛇伝」は試写を8/20に行い、公開は10/22としてある。完ぺきなクレジットもさることながら、制作者の愛情溢れた一冊となっている。(1961年作品「安寿と厨子王丸」ではカラーワイド版/7巻/2272.3m(これはフィルムの長さか)/1時間23分/作画・原動画88920枚・セル83027枚・背景563枚/制作日数17ヶ月11日と完璧データである。)
アニメはここから始まったわけではなく、それ以前の作品は学生時代京橋のフィルム・センターに度々見に行った。戦前の作品は「人形劇」や「紙芝居」等の舞台芸能の流れがあり劇映画同様で芸術に目覚める前であり、芸能の色が濃い。想像するには、俳優が声優をやり、背景は絵描きのバイトの様な関わりだった様に感じる。それが戦中になるとプロパガンダとして利用されて目的を表現するようになった。
戦後から10年たって文化面の復興を象徴するように「白蛇伝」が生まれ、この後テレビアニメ時代・週間コミック誌と一般化した流れを主流に多様化していく。
ほとんどの漫画好きは、基本的にその源流に近い「動画」には全くと言っていいほど興味が無い。同時に昔の漫画(横井福次郎の「不思議の国のプッチャー」等_「鉄腕アトム」の元ネタとして知られている。)も同様なのは、「漫画」「コミック」「アニメ」は現在であり、過去を読む必要を「感じない」からと思う。