”Susuto” means ”Scare”

1980年発表のは菊地雅文氏のアルバム「SUSUTO」。20代前半の僕はこのジャケットに衝撃を受けた。日本でもレベルの高い「音楽とグラフィックの関係」に始めて出会った。それまでジャケットデザインの名作は、70年代の横尾忠則氏のサンタナのみが国際的で、後は日本ローカルでしかなかった。それが、ニューヨーク在住の日本人ピアニストで、目指した相手がエルビン・ジョーンズで、で見るとジャケットは写真がクリガミカズミ(インナーのポートレイト)、イラスト&デザインがイシオカリョーコと表記してあった。表記に驚いたわけではなく、何かこれからはこういうレベルでないとこれからは通用しない、とでも言うような「雰囲気」が非常に印象に残った。
それまで支配していた漠然とした「イメージ」から、ハッキリした「イメージ」に変った。それは勉強することや目指すこともハッキリしたような心持ちであった。
今では考えられないが、レコードジャケットを意識をもってデザイナーが作り始めたのはこの30年も満たない。