Friday Night in San Francisco 1980

天才ギタリストが3人集まって、入念なリハを重ね、最高潮の演奏をいとも簡単にやってのける、というのは実はタダの偶然ではない様に感じる。何故このような天才は同じ時代に生まれ、呼び合い、同じステージに乗っていたのか。最近のギタリストも充分上手いのだが、何かが違う。
アメリカ人のアル・ディメオラ、イギリス人のジョン・マフラフリン、スペインのパコ・デ・ルシア。アルではなくラリー・コリエルの時期も経て、このメンバーに行き着いたわけだが、この3人のバランスが良い。
アコースティック・ギターの早弾きは、鳥の会話のようにも聞こえるし、水の流れのようにも感じる。自由に操られる音色は、3人がそれまで別々の道を歩いてきて合流し生き生きと踊っている。名人しかわからない境地、3人の会話を我々は聞くのだ。