kraftwerk Tour 2004

ロックなのか?現代音楽なのか?ポップアートか?ロボットが継承する仕組みの面白バンドなのかも?
テクノミュージックの起源がドイツのロックシーンからだったのは、僕らの中では常識だったが、それがどうやって生まれたかが気になる。エレキギターという音楽的には20世紀最大の発明に対抗する、もしくは反逆する勢力としてクラシックの土壌からかもしれないと思うことがしばしば有る。バッハから黎明期現代音楽からも「反復」によるカタルシスを得るリズムが形式として根づいていて、同時期に世界的に紹介されたアフリカのポリリズム(複合リズム)やメレンゲなども関連している、と感じる。例えばヨーロッパ人がブルンジドラマーズを始めて見た時の衝撃は凄まじかったのではないか。しかもそれは推測するに、日本より遥かに早かっただろう。
テクノミュージックはデジタル・ミュージックではなく「気合で機械に近づいてみる」と、妙な気持ち良い「矛盾」を生み出す音楽で、正式には「アナログ側」の音楽であるはずだ。だからデジタルになった時に、更なる「矛盾」の輪換を描いてしまった。
クラフトワークの音楽に直接的に黒人が反応したというのは、その「音楽の循環」を示すものとして非常に面白い。テクノ全般ではなくクラフトワークのシンプルさにそのポイントが有ったに違いない。