The Last Poets_this is madness

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1971年のThe Last PoetsのLP「This is madness」である。60年代後半から沸き立ってきた「ブラックパワー」の象徴的な音楽の歴史を此処に聴くことが出来る。二人の「喋り」とパーカッションの3人がニューヨークの路上で演奏している感じの生々しい音である。これはラップの原形とも言われている。
多分、彼らが始めて紹介されたのは、ミック・ジャガー主演の映画「パフォーマンス」(1970年頃)のオリジナル・サウンドトラックに入っている「Wake up nigger」という曲だろう。僕が当時聴いた年令と同じ20代前半の音楽好きに聞かせたところ、30年以上前の音とは信じなかった。これは「今の音」であろう。
英語を自在に操るリズムにアフリカの「魂」が直接的に感じられる。
白人のポップスに比べ、アフリカ系の音楽が「褪せない」のは何故なのか?これは日本人だけの感覚ではないだろう。形式ではない、精神的に「素直さ」があるからか?「コンセプト」じゃないからか?
CDには封じ込められない音を聴く能力が欠落した渋谷を歩くヤツに「喝」であり、「物欲にボケた頭」をこれで醒ませ。
って少々Last Poetsしてしまった。

The Last Poets
Alafia Pudim, Omar Ben Hassen
Nilija-Percussion
 ※Omar Ben HassenはUmar Bin Hassanの名義もあるようだ。