Brian Eno/Taking Tiger Mountain EP

ブライアン・イーノから選ぶとしたら7インチ・シングル盤にブートで発表された「My Life in the Bush of Ghost First Edition」(1980)のジャケも是非見せたいし、ウエブ販売しているアイテムや出版物の付録のソノシート等も良い。が、これに決めた。Roxy Musicだった以後ソロ転向後2枚目アルバムからのシングル盤のジャケ。もっとも妙なサウンドのアルバムとイーノ自らが分析するアルバムのエッセンスがこのジャケにあるような気がする。イーノも参加しているMATCHING MOLEの『LITTLE RED RECORD』のジャケに描かれた毛沢東にも通じる趣味というか心持ちというか、雰囲気というか。あまり論理的には解明できないような「妙さだけで判断」するような、キワドイ感覚がここで放たれている。ここには不特定多数を相手に挑戦するような姿勢はなく、仲間内で楽しんでいる向きが感じられる。若いうちはそれでいいのだ、ではなく「男として遊んでいるか?」という自分の持ち味をジャケに充分出すことを「勝負」する様な「妙な緊張感」がある。たった一枚のジャケでいろいろ想像をかき立てる、というのが音楽には一番大事と思う次第である。