20_Yutaka Sakano
先月、坂野豊さんの写真展のお手伝いをした。その時、本当に久しぶりに沢山写真を見せてもらったので、坂野さんと制作したジャケットをチョイス。


最初は「冨田靖子」さん。まだ完全アナログの時代で、7インチシングル、12インチアルバム、それにツアーパンフレット。テレビ番組が絡んでいて、スタジオで時代劇の撮影もやったなあ。図版はポスター第一弾。スタイリストMichiru Abeさん/制作プロデュースShigeo Gotoさん。


1995年東芝EMIでからデビューしたSOON。SOONはデビューから関わっていて、ボクが主催したイベントにも度々出演してもらっていた。それまでにSOONの撮影してくれたカメラマンは、佐藤奈々子さん、小木曽威夫さん、ホンマタカシさん、ブルース・オズボーンさんなど。このジャケット写真は、九十九里のハウススタジオで撮影。スタイリングはAtsushi Ohkuboさん。


1996年作。ジャズピアニストYoshiko Kishinoさん。メーカーはビクター。写真から醸し出される雰囲気に宮廷画家の趣がある。きっと坂野さんの先祖はボクと大違いで公家とかなんじゃないか?って思ってた。時間の停め方が決定的にボクとは違うのを撮影で感じてた。


1997年作。Minako Obataさんもビクターでジャズ系の歌い手。この時のスタッフはメイクがTomita Satoさん。広告撮影みたいだった90年代音楽制作の時代もこの辺りから一気に減少した。寡黙な坂野さんは言葉以上の何かを発する人。たぶん。


80年代には、こういう広告も一緒に作った。これはドイツのCANのジャケットか何かで見た「アクリルミラーを使ったモデル撮影」。スタイリングはKimie Hataさん。服はTokio Kumagaiだった。この広告サイズでは服がトリミングされてしまったけど、もう少し縦長の雑誌だと、襟に付いている番号で写真が鏡に写っているのもわかる仕掛けだった。写ってなきゃ意味ないけどなあ。

Breakfast在籍時代(1982-1984)は、常に巨匠との仕事が多かった。自分が20代後半で、巨匠もまだ40代なんだな。それでも、あの「威圧感」はすごく勉強になった。苦しかったけど。独立してからは「同世代との仕事を意識的に徹底」したのだな?自分。そのパートナーの一人が坂野さんだったんだなあ。制作したモノは少なかったけど。