タブラだから

エレキギター以上にカッコいいと思う楽器がタブラだ。タブラはインド圏で生まれた打楽器で、もう数千年にも及ぶいろいろな淘汰にも微動だにしない「音の響き」を持っている。ギターは基本はハープ、リュートやダルシマにチターみたいに弦を振動させるだけど、タブラは先ず「音」自体が美しいし、いろいろなボキャブラリーの幅が広い。何が出てくるかわからないし、予想出来ない凄い楽器だなあ。音を聴いているだけでも数時間は聴いていられる。いろいろなイメージがわく。人が喋ったり馬が走ったり、風が吹いたり、奏でる風景が多彩。
個人的にはギターもタブラも日本人が演奏、には似合わない楽器だと感じてる。やっぱり楽器や音楽は、その土地(Land)が生むもので、人はその土地や季節や感情を楽器を通して奏でるだけで、音自体は土地の響きに聴こえる。それを応用して音楽の一部に使っているだけだと思う。
ニホンでギターを弾いたり、タブラを叩くのは、外国へのオマージュなんだと思う。例えば、元々ヨーロっパの音楽が〜アメリカへ移住〜開拓時代〜独立〜奴隷〜ウッディ・ガスリー〜公民権問題〜ボブ・ディランエレキギターという「道」にもすべてオマージュがあったと思うなあ。アメリカのギタリストには「外国へのオマージュ」を感じない。移り住んだ乾燥地帯の音の響きをエフェクターみたいに作って、肉体的なダンディズムに昇華する思想みたいなモノを感じる。
かと言って、今更日本人が琴や三味線という時代でもないなあ。着物してないし。でもこのまま温暖化が進んで亜熱帯化してくれば、ハワイアンが一番似合うかもなあ。

90年代から聴いているネイティブと移住者のコンビHAPAのスタジオライブ。彼らも葛藤の末にたどり着いたのは、ハワイ的な楽しさ、か。
音楽が売れるか売れないか、と考えたところから面白くなくなる、のをこういうのを見ても感じる日曜の朝っーでした。