一枚の写真は映画より残る

自分最入魂作品に「家族写真アルバム」がある。子供が生まれてから約10年間制作。主に夜中作業であった。アルバムは3種類あり。
最初に記念写真など大きなプリントを分厚いアルバムに貼って行く。これは親戚やお世話になった人に最初に見せる用。知り合いカメラマンが撮る正式なアルバムっちゅうヤツや。ごっつう値が張るアルバムになっとります。特注革張りもあるんやで〜。
次にボクが毎日撮影してた写真のアルバム。年賀状などはここから作る。数十冊はある。今年全部整理完了。我ながら凄い整理能力だ。
最後は「残り物には福」的アルバム。つまり、それまで残った写真。カメラマン撮影のアザ(Others=残り)にアルバムに貼られなかった&人には見せられない様な写真ばかりを集めたアルバムだ。通称「コラージュアルバム」。
一番時間がかかったのはコレ。A4ブックに貼って行くのだが、プリントを切り刻み面白い部分だけを一度集める〜両面テープ〜仮に置いて行く〜貼る作業〜ポップアップ形式にしたり、別冊を作ったり。力の入れ様はハンパないっす。作っているうちに熱さが厚さになり、本棚に入らなくなる始末。10冊以上は作り幅1mを超え結局は段ボールに入れて倉庫に。
最近の子供達はデジカメなので、すぐにポーズ確認出来るが、昔は全てネガ〜プリント待ち。最初は楽しみにしてたけど慣れてくればプリントが上がっても見なくなり、後半のコラージュアルバムは見てなかったらしい。ガキが20才になった頃急にそのアルバムを見る様になった。
現物貼付けのアルバム自体がなくなる可能性大。特にコラージュアルバムは辺境の既に絶滅種。写真を家族で見たり飾る事も少なくなっていく、のだろうなあ。
映像は保管が大変で残りにくい、グラフィックは残る、と思う今日この頃。

今日の一曲「ファミリーのシンボル」だなあ。これはジョンではないよ。念のため。

先日、NHKドキュメント「ファミリーヒストリー」を見た。浅野忠信さんのルーツを探す旅。凄い!ここまで突き詰められたか。会う事のなかった祖父の財布から一枚の写真が出て来た。そのモノクロ写真に号泣する浅野サン親子だった。人にはかならず先祖がいて、僕らは平和に暮らしている。