ファンとは?

60年代アメリカで子役スターのシャーリー・テンプル(当時の映画スター)にテンプル・キャラクターマニアがいて部屋中に写真やら人形などが置いてある写真を新聞かなにかで見て「アメリカ人はヘンだ。病気だ。」と思った。当時は「日本には、そんなにヘンな人はいない。」が多数派だった。それが今や当たり前だのクラッカーだ。(ビンテージ・ギャグ・マニアの原点か)
この夏、某人気歌手のファンクラブイベントに10万人が球場に集結。ということはファンクラブには10万人以上がいるということで、ファンは年に20000円程度使うらしいから、それだけで20億円だ。驚き桃の木この木なんの木?(続・ビンテージ)〜あの63才ロッカー、エーちゃんのファンで部屋中がエーちゃんグッズだらけと言う人を仕事で一訪ねたことあるんだけど、そのファンは取材中ズ〜ッとエーちゃんの「物まね」してた。オカシイを超えたびっくらげーしょん。(今日は調子良いね)
マイケル・ジャクソンの事を書いた書物の中に「マイケルにはファンがいない。」という一説があった。ディズニーみたいになってしまったからだ。あまりにイメージが大きくなっていくと個人へのファンの意識ではなく、お祭りになっていき、最後には騒いでいるだけになって、もうナニが嬉しいのだかもわからなくなっていく。ある意味では「おめでたい」。
ボクも高校時代に某プログレ大御所バンドのファンクラブを運営していた。公式ファンクラブと言うヤツだ。レコード会社に行ってファンジン(ファンクラブが作るマガジン=会報)を作っていた。手描き原稿を転写し、写真もコピー(乾式って知ってるか?)を貼り付けると何となく写真に見える。でも、ハッキリ言って粗雑なもの。そこにファン意識がグッと介入〜「もっと写真をリアルに」〜とうとう「会費を値上げして写真の鮮明なオフセット印刷にしたい」にファン(会員)が賛同〜新宿の印刷業者に頼んで写真がばっちりキレイに!他のファンクラブから羨望の眼差し〜ナンと会員から「お礼のカンパ」が続々と送られてくるじゃあないか。バンドが解散してファンクラブも発展的解散。お金が余ってしまったので大きなプリントを焼いて額装し会員に送った(全て美大生奮闘の図)。ボクもファンなのか情報発信者なのか段々不明になってしまった、なのであった。
ファン(fanatic)とは、意識と無意識の狭間に住むストレス部族。古代から人が受け継いだ&ズッと持ち続けた心理でどちらというと宗教が探求するエリア。彷徨う信者は皆誰かにダマされたい、といつも思っている。しかし、しかしだ。完璧じゃないと絶対にダマされない。