ポケットいっぱいの秘密の秘密

昨夜、代官山蔦屋書店での松本隆佐野史郎対談に行く。松本さんには90年代に大変お世話になった。2月の「川勝正幸さんのお別れの会」でお見かけしただけで話は出来ず。佐野史郎さんは歌う俳優で「はっぴえんど」マニアで知られ、最近だと佐野元春音楽を映画化した「コヨーテ〜」で主演。「日本語の風情」に満ちた話を楽しみにして行った。会場は2号館の2階のサロン。ユッタリした空間は、クラシックな雑誌をうめた棚があり、真剣に話を聞くと言うよりくつろいでイッパイ飲むのに向いている感じ。話はマニアと頑固親父(失礼!)の風呂屋での話みたいで、人が聴いているという感じがない。内容は編集されての公開予定だが、こういうのはカットされた部分が面白い、と敢えて言っておこう。約2時間弱。
90年代にボクも松本さんにインタビューした事があり、根本的にブレがないのと、それから移った時代により変わった部分を考えると、「作り手が如何に自分しか頼れない」ことを思い知る。松本さんは人を見ている作家だと思う。作品にはきっと主人公がいて、些細なことから人間ばなれしたことまで振幅が大きい。ある時は真面目で、ある時は過激で、そしてある時は探偵みたいに影から見ている感じがする。
細野晴臣さんも松本さんもいわゆる、東京の「山の手」育ちで、時代的には「団塊の世代」で高度成長期を冷ややかに見て、ビートルズを初めとする外海の「音」に対する、日本式の反動を感じていた世代と思う。その世代のトップランナーだった。10年後輩の僕らは、それまでの「海外コンプレックス」がなくなった世代とも言えるなあ、とか思いながら話を聞いていた。
最近の細野さんと松本さんの活動はエネルギッシュで、ただ目立ちたいと思っているアーティストに厳しい一発を眩ませてくれるだろうなあ。
全く関係ないけど、東京の人って、何故いつも「つまらないなあ」って顔しているんだろう?自分もよく言われますが、何故だ?何となくわかるけどホントはわからない。ニューヨークの人も左右田一平