Dr.Strange Loveと浸水予備溝

昨夜、台風で都市交通が麻痺した真っ直中に入ってしまった。「電車が止まって帰れない」で青山にいる家人を迎えに世田谷から車で向かう。途中パラパラと歩いている人や下り渋滞を見つつもスイスイと渋谷の手前まで着く。が、木が風で倒れていて通れず。パトカーが246に迂回指示、で入った道が渋滞。246に出るまで(普段なら1-2分)20分ほどかかる。246に出ると道を歩く凄い人々。あの震災以来の光景が飛び込んできた。車も止まったままで動いていない。旧山手通りに行きたかったが左折出来ず、山手通りに。青山から歩いてきた家人はここで捕まる。無理矢理246をUターンし、先程通って来た空いている道で帰ると家までスイスイと帰れた。
帰って渋谷付近の映像を見ると、風で落ちた葉が排水溝をふさいで道路が冠水。今回の台風は予想的中で雨より風だった。でも、浸水。東京の浸水対策は環七などに設置したのを聞いたが、近年少しずつ進んでいたが、それでもすぐにこうなってしまう。
10年ほど前に横浜の地下排水予備溝工事を見に行った事がある。正確には撮影のためで、調べてから使用させて貰ったのだが、横浜の主要道路に沿って出来た直径8mの排水溝(といっても予備)の中で撮影したのだが、移動は自動車である。真っ暗で湿気がすごく撮影に適していないが、空間としては非常に面白く不思議な絵が撮れた。
なので、このジャケット(図版)を見る度に横浜には予備が充実〜大雨〜排水〜浸水〜東京は大丈夫か?と連想。
さらに20年前に某ファッション報道月刊誌で「東京危険マップ」を制作した。その直後アメリカの大手ニュース週刊誌の仕事で「東京は大丈夫か?」の特集も手がけた。報道は制作であり、事実は大衆にはわかりづらい、というのが、自分の感覚にも確実にある。
今はウエブでいろいろなレベルの情報が瞬時に見れるが、見ている側は全て見通しているつもりだが、実際には操作できる情報。以前は能動的に調べるか、その業務についている人しか知らないことが多かった。良いのか悪いのか、今のところ明快に証明できる人はいない。ただ、今回携帯電話を使ってあの人の行列から家人を捜すのは簡単だったが、ボクは決してうかつに良いと言えないと思う。前みたいに五感で必死で探す感覚が自分の中で衰えていく様に思える。