NDC

わたくし何を隠そうあのNDCの出身者であります。NDCは日本デザインセンターで、亀倉雄策田中一光横尾忠則宇野亜喜良(以上敬称略)を筆頭に有名なデザイナーを輩出した老舗デザイン会社で、グラフィック関係者なら知らない人はいない筈。(今は知り合いの若いデザイナーは知らなかったけど)
ボクが正社員入社したのは1979年。現在の社長は4年後輩。入社した時、20周年作品集を見て、それまでのNDCの業績を始めて知ったという不届き者である。社への貢献や実績も全く積まないまま、同じNDC出身の大先輩のデザイン事務所に憧れてさっさと移った反逆の輩であります。
その頃で、覚えていることと言えば、同世代のデザイナーが非常に「外向きでやる気」があったこと。日本代表スーパーADサイトウマコトさんの下で優しくデザインの手ほどきを受けたこと。武蔵美の同級生を5人も紹介し同僚になったこと。アシスタントがいて仕事ははかどる、と知ったこと。自分は会社員に向いていないと自覚したこと。自分がやるべき仕事を必ず実現すると決意したこと。
奨学金をもらい働く大学生だった自分は、学校にいくより働くことが望みだった。だから、武蔵美時代には広告のプレゼンもやったし、デザイン事務所探しもやっていた。3年の時に高校時代の友人が紹介してくれたのはサイトウさんだった。翌日からNDCのバイトを始める。
就いた先はサイトウさんの仕事ではなく、他のADだった。なので、通常業務を終えて、サイトウさんとの夜の部(アナザーな仕事)が始まる。
早い話がその夜の部の発展系に自分の「道」が見えた。その「道」は完全なデザイナーの独立の道で、僕にやっと入り口が決まったのだった。25才の時。
1年がかりで先輩の事務所に入り、NDCの数億倍?の「しごき」を3年間経験し、周囲の反対を押し切って29才で独立して27年目。
30年前の同僚に無理言って本日「50周年本」を手に入れました。これから読みます。手に取っただけで何か本質的な「何か」を感じ取りました。目次を見て、ボクの周辺にいたボクが在籍した頃の人が中心だったのを知りました。