白黒映画推薦

自分の仕事もモノクロームの作品が多いと思うのだが、観たい映画も今はモノクロが多い。今まで避けてきたわけではないが、ジョン・フォード作品はあまり見てこなかったので、今見て余りの凄さにのめり込みそう。モノクロはクロサワも言っていたが、物語を見せるのであって、余計なモノを感じさせないから、いい話がグッと感情に入ってくる。
1962年作品「リバティ・バランスを射った男」は、ジェームス・スチュワートとジョン・ウエインの共演作品で男の正義と友情という話だが、それだけ書くと典型的な名作・古典と伝わってしまいそうだが、展開を上手く見せる編集やドラマの言いたいこと絞り込みなどが非常に映画の本質的な良さに感動する。しかも、太い。時期的にはとっくにカラーに移行していた時代だがあえてモノクロで作ったのには物語の見せ方に対する「こだわり」が強かったと思う。
それに時間を演出するのに映画的な合理性がある。例えば、メイクなどで年齢の幅を出せるから、物語や展開が自由に行き来出来る。
日本映画もヨーロッパやアメリカ作品の大きな影響を受けているが、日本映画の面白さはモノクロ時代にあり、という名解説書がこれだ。(図版2冊)

実はこの本の中の作品(歴史的な名作)で少しばかりお手伝いさせていただいたお礼で白井さん送っていただいたのだが、あまりの恐縮で返事もしていない。こういう素晴らしい先輩と仕事のお陰で僕らの行くべき路が照らされている、と思っている。