技術なし楽団の演奏

ポーツマスシンフォニアというのはプロでもなく上手くもなく、ふざけているわけでもないらしい楽団で、ベートーベンの「運命」なんかを演奏しちゃう。いかにもイギリスらしい楽団ですが、ジャケットになかなかのセンスを感じる。(20 classic Rockの裏面ジャケットには、食べ物に「蠅」が付いている写真が凄くキレイ!)
日本のアングラの名曲で「かっこいいことはなんてかっこわるいんだろう」というのがありますが、これは「かっこわるいことはなんてかっこいいんだろう」を目指していないところが良いですね。
演奏を記録したレコードが欲しいと言うより、こういうヘンな妙竹林なモノがドンドン少なくなっていくだろうから、子孫に伝えるべき歴史の一コマのために欲しいレコードである。技術的に凄いのは目の前で瞬間に消えていくようなことは多いし、本来はそういうもの(記録できないモノ)が芸術だと思うのだが、こういうヘン竹林は残っていく課程で姿を変えていくところが面白いではないか。
「20世紀の中盤ではこんなに英国人は下手だった」とか、「反権威的な真の芸術家」とか言われてしまうようなことは想像に難くない。