工業系

[%7C]
80年代中盤のロンドンで「インダストリアル(工業系」ミュージック」と呼ばれたノイズ・ロックが大量生産された、ではなく受注生産程度に職人によって生産された、という感じか。80年代中盤といえば、ポストパンクが終焉を迎え、ワールドミュージックやテクノや様々な音楽が吹き出してきた凄い時代だった。そんな時代の裏側に敢えて行くようなアーティストも少なくはなかった。そういう音楽家には先ず意地があった。大量生産や思想のない社会に向けられたアンチテーゼがあり、それが言葉でなく音響で奏でられたことに「美」への「こだわり」を感じる。Throbbing GristelやTest Dept.なんかは聞いていた。気になったのでレコード棚の80年代「割に深い場所」に予想以上に多くあったので聴いてみることにした。Swans,Laibachなどがあり、ロンドンの友人が送ってくれた1985年の「Abstract Magazine Issue 5」なんていう雑誌とレコードが合体した形式のもあった。ネオナチや左翼の雰囲気のある感じが記憶としてあったが、今聴くとポップというほどではないけど、重ったるくなくて、結構すんなり聴けるぜ。マニアはいるんだろうけど、ロックや現在音楽の延長線で買った身としては何か縁のなかった昔の友人に会ったような複雑な心境である。